ジョニー・ブルック生誕100年
もう昨日になるが、3月22日はローダン・シリーズ開始から長らくメイン・イラストレーターであったジョニー・ブルック(Johnny Bruck)の誕生日。しかも今年は生誕100年にあたる。
これを記念して、公式サイトでは3点のアートパネル抽選や割引コード配布などの企画をおこなっている。モチーフは“Pax Terra”(ローダン287話「屈せざる者たちの広間」表紙)と、“Demeter”(同865話「宇宙の迷走」表紙)の2種類。
特に前者は、人類と異種族(マークス)の協力をあらわすシェイクハンドな絵柄で、後期のヴェルトコンのコン・ブック表紙に使用されたり、各種媒体でよく見かける。
ジョニー(1921.03.22 – 1995.10.06)の手がけた作品は、ローダンの表紙イラストだけで1800点近く、これに挿画や、ATLANや惑星小説、現在のVPMの源流であるMoewig社のTerra叢書、Pabel社のUtopia叢書等も含めると数知れない。ちょうどTwitterでリストのリンクを貼ってくれた方もいらしたが、とにかくすごい。1984年に出版された画集(紹介文はH・G・フランシス)にちなんで〈3000のSF世界の支配者〉の異名をとったのもうなずける。
日本の読者には、「ドイツの依光先生」と言ったらわかってもらえるだろうか。
交通事故で亡くなった後、追悼のため1800話「クイックモーション(Zeitraffer)」の表紙イラストにジョニーの肖像が描かれ、作中では時代の右傾化を憂うローダンが、ゴシュン湖畔のバンガロー近くに住む同名の画家(新銀河暦1200年代に、油絵を嗜むのだ)と短い友情を育む。同作は、前サイクル末からの60年を駆け足で描写するので、ローダンはともかく、老画家はやがて……というあたり、ちょっと泣けた。
■Perrypedia:Johnny Bruck
■公式News:GEWINNSPIEL ZUM 100. GEBURTSTAG VON JOHNNY BRUCK
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