訃報:クラーク・ダールトン

作家情報

すでに国内のメーリングリストでも話題にのぼっているが……ローダン・シリーズ創設者のひとり、クラーク・ダールトンことヴァルター・エルンスティングが昨日、オーストリアのザルツブルクにて亡くなったとのこと。享年84歳。ニュースソースは、子息のロベルト氏が、親交のあったファンに送ったメールであるそうだ。

Walter Ernsting (1920-2005):
1920年、ライン河畔の古都コブレンツに生まれる。1955年、『夜空のUFO (UFO am Nachthimmel)』で作家デビュー。この際、アメリカ風のペンネーム、クラーク・ダールトン(Clark Darlton)名義で持ち込んではじめて採用されたエピソードは、故松谷先生があとがきで紹介されているので周知のことだろう。その後、1961年にスタートしたローダン・シリーズには、故シェールとともに企画段階から携わっており、第2話「第三勢力」から1622話「喪失者」まで192編を執筆した。シリーズの人気キャラ、グッキーやエルンスト・エラートもダールトンによって生み出された。
作家としてのみならず、ファンダムでも重きをなしており、1955年のドイツSFクラブ(SFCD)創設の立役者のひとりでもある。

引退後は、寝たり起きたりをくりかえしていたようだ。それでもローダン編集部とは定期的にコンタクトをとっており、昨年9月にはクラウス・フリックがザルツブルクを訪れた記事が公式サイトに掲載されていた。公の場では、マインツで開催されたローダン・ヴェルトコン2000にヴィデオレターを送ってきたのが最後の機会となった。そのときの結びのことばは、「ではまた、いつか、どこかで(Bis irgendwann, irgendwo…)」だったそうだ。時空を超えるキャラクターたちの生みの親にふさわしい別れのことばといえよう。

■Phantastik-News: GESTORBEN: WALTER ERNSTING (リンク切れ)
■公式Logbuch: Besuch bei Clark Darlton (リンク切れ)

Posted by psytoh