2500話お試し版+α 今度も戦争だ?!(爆)

ローダン

未知の世界の夜空に見知らぬ星座を描く、きらめく星々。石の上にも三年……じゃなくて、じーさまがひとり、腰かけている。その白髭には霜がこびりついているけれど、凍死体なわけではない。なぜって、超知性体は凍えたりしないから。〈それ〉が足元の平野にそって視線をすべらせると、とおーくには機械都市のシルエット。(つまり、ここはワンダラー)

そよ、と吹く風がじーさまの顔をなぜると、あら不思議。隣に立つ人影が。人間そっくり、長身痩躯、男性。つなぎのコンビネーションは、まるで第二の肌のようにぴっちり。(サイズが合っていません)

「ホムンク」じーさまが言いました。「おぬしに会えるとは、うれしいのぅ」
「御用はなんでございましょう、ご主人様」
「人類の暦で、平和のうちに100年以上が過ぎ去った。だが、それももう終わりぢゃ。かれ、わしらの助けを必要とするじゃろう。そして、わしらもかれの助けをな」
「かれの元を訪えばよろしいので?」
「助言とゆーか、ヒントが必要ぢゃな。かれは、これからいくつか、ビッグな決断を下さにゃあならん。種族の命運も、そこんとこにかかってきおる。ゆえに、ぢゃな。かれのとこに往くがよろし!」
「かしこまりました、ご主人様」

ホムンクは頭をたれると、ご主人様から以心伝心に伝わってくるメッセージを受け取った。
再び、そよ、と風が吹いたとき、ホムンクはすでに旅立っていた。
〈それ〉はふたたび、視線を遠く機械都市へとむけた。目線があっちへふらふらこっちへふらふら(笑) 空へ、地球にそっくりなくせに地球でないこの世界の軌道へ、惑星をいだく、渦状銀河の星々のあいだへ、無数の銀河のはざまへ……。
……それからようやく、件のテラナーの顔へ。

ペリー・ローダン。
希望はかれにかかっている。(たぶん、きっと)
そして、ローダンの前に横たわる使命を思うと、凍えるはずのない〈それ〉が、思わず身震いをするのだった……。(む、武者震いなんぢゃよ?!)

* * *

――と、そんな風にして、シリーズ2500話にしてスターダスト・サイクル第1話『サターン計画』の幕が上がる。
混沌の勢力の終末戦隊とカオプレッサー・コルトロクを辛くも撃退してから116年……新銀河暦1463年は、まだようやく始まったばかり。松の内どころか、三が日さえまだ明けぬ1月3日、偉大なテラナーは、すっかりヨリの戻ったモンドラ・ダイアモンドをどうにかこうにか表にひっぱりだすことに成功。

「キミに見せたいものがあるんだ、モンドラ!」
「うーん、あんま乗り気じゃないのよねー(じらすのも女のたしなみよねー)」

……てな問答のすえ、ふたりがやってきたのは太陽系第6惑星、土星。
そこには、およそ60年前に銀河系のノースサイドで発見された、とあるアーティファクトが隠されていた。

「……でっかい皿?」

一辺約2500メートルの角皿を向かい合わせにはりつけたような代物は、コードネームを《ガリレオ》といった。117年前、球状星団オメガ・ケンタウリで使用されたレムール遺産、ツォイト-80に搭載されていたものに類似する、〈ポリポート搬送駅〉である。
ハイパー物理学的抵抗の増大した現在、銀河間航行はほとんど不可能事に近い。だが、このアーティファクトの秘密が解明されれば、アトラン率いるコンビトランス艦隊を数十万光年の彼方まで運んだ搬送駅技術がテラナーのものとなり得るのだ。
それこそが、極秘プロジェクト〈サターン計画〉だった――。
そして登場する新たなマッドサイエンティスト!(笑)

「……かれが、ミルトン・デビーア。サターン計画の責任者だ」
「……いい趣味してるわね」

クリーム色のポロシャツに半ズボン。ショタではない。身長2メートルの大男だ。

「……(なんつーか、わたしが若いころのテニスプレイヤーだよなぁ、どう見ても)」

そして登場する新たな敵!

「ポリポート駅の向こう側からの救難信号です!」
「こちら……半空間シュプール・チェンジャー……周波王国の攻撃をうけ……へ、へるぷー」
「こちらは周波王国の周波トレーサーである! 蛮族に告ぐ、ポリポート駅を引き渡すのだぁあああっ!!」

搬送駅技術をすでに利用する敵……それはすなわち、自由テラナー連盟の心臓部たるソル系のどまんなかに、敵の侵攻部隊が出現しかねないことを意味した。
そして思わぬところでつながる謎!

「いっそポリポート駅を破壊してしまえば、接続も途絶えるよなあ」
「またまたポリポート駅の向こうから救難信号です!」
「こちら……スターダスト星…系……。執政官…ホイ…スラー……。周波王国の…侵攻部隊が……へ、へるぷー」
「……やっべぇ。見捨てるわけにもいかない――よね?」

そして到来するはた迷惑な助言!(爆)

「ほ、ホムンク!?」
「ご主人様からの伝言です。『テラナーは、ポリポート・ネットワークを悪いヤツに渡しちゃあかんけんねー。敗北すなわち死か圧制ぢゃから、尻に火がついたようにがんばるよろし。ちなみに、わしはファー・アウェイの状況がよろしくないので、そっちの手助けはできないんぢゃよ?』」
「き、鬼畜っ」(毎度のことだがっ)

そしてなし崩し的にはじまる、ポリポート・ネットワーク争奪戦!! なのだった。

「周波トレーサー、襲来!!」
「クローン兵団ってどこのSW!?」
「押し戻せ押し戻せーっ!」
「超能力が効かない…だと?」
「捕虜だ尋問だ拷も(ry」
「攻撃は最大の防御よー!」
「敵の搬送駅を占拠だ占拠」
「発進ごーっ!!」

だ、大丈夫なのかなあ、このサイクル……。

■公式News:Leseprobe zu Band 2500 (リンク切れ)

Posted by psytoh