だってわたしは異人だもの
ハヤカワ版:
「ヤアンツァルを滅ぼせばよいのだ」と、つぶやく。もちろん、許されることではないし、不可能だとわかっていたが……しかし、いい考えである。自分は帰り道を捜して迷いこんだ、よそ者にすぎないのだから。原文:
“Jemand müßte Yaanzar zerstören”, murmelte Rhodan. Dieser Gedanke faszinierte ihn, obwohl er wußte, daß er zur Ausführung einer solchen Tat weder berechtigt noch fähig sein würde. Er war ein Fremder, der sich nur in die Angelegenheiten der naupaumschen Völker einmischen durfte, um seine eigenen Interessen zu wahren.
試訳:
「誰かがヤアンツァルを破壊しなければ」と、つぶやく。その考えは魅力的だった。とはいえ、わかりきったことだが、かれにはそんなことをする権利もなければ力もない。自分はよそ者で、おのが利益を守るため以外、ナウパウム種族の問題に介入すべきではないのだ。
――個々の訳文はまちがっていないし、「帰り道~」云々も理解を助けるための意訳として許容範囲だと思う。が、文章の順序立てが決定的におかしい。ハヤカワ版では完全に「旅の恥はかき捨て」状態で、ローダンとっても外道ちゃんである。原文が読めていないというより、翻訳後の編集で順序が入れ替わってしまったと思いたいのだが。
ティラノサウルスは最初から二足歩行だろうとかそんなことはさておき、ローダン氏の名誉のためにも、とりあえず弁護しておきたい。
#まあ、実権があったらやるのか、と考えると擁護したくなくなるが……(笑)
■原典:318巻『フルロックの聖域』p134
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