ドイツSF大賞2012年受賞作発表

ドイツSF

本年のドイツSF大賞の受賞作品が発表された。
(ノミネート時の記事はこちら

授賞式は7月21日、キールで開催されるドイツSFクラブの年次大会を兼ねた UrlaubsCon und Meer にて執り行われる。賞金はそれぞれ1000ユーロだそうな。

■長編部門 Bester deutschsprachiger Roman:

1. Karsten Kruschel / Galdäa – Der ungeschlagene Krieg
   / ガルデーア――終わらない戦争

2. Andreas Eschbach / Herr aller Dinge / 森羅万象の王
3. Simon Urban / Plan D / D計画
4. Michael Marrak / Black Prophecy: Gambit / ブラック・プロフェシー:ギャンビット
5. Charlotte Kerner / Jane Reloaded / ジェーン・リローデッド

以前dinfoでもちらっと紹介されたが、『ガルデーア』は同作者の『VILM』と世界観を共にしている。実際には『VILM』と同時期に、遠く離れた別の世界で生じたできごとが語られる。
ガルデーア戦争が残した影響に関する論文を作成中の学生マイケル・サンダーストームが、偶然つかんでしまう陰謀の影。惑星ペンタVのガルデーア総督ヤナ・ハコンの本国への逃走の旅路。そして権力の中枢ガルデーアでは……。錯綜する事態と、再燃しかねない戦争。はたしてサンダーストームは真実を知ることができるのだろうか。

エシュバッハ二冠はならなかったかー、というヤジウマ的感想と、『ジェーン・リローデッド』ってどんな話なんじゃろー、という疑問が残った。うん、これだけ調べてないもんなあ(笑)

■短編部門 Beste deutschsprachige Kurzgeschichte:

1. Heidrun Jänchen / In der Freihandelszone / 自由貿易地域にて
2. Frank W. Haubold / Das Paradies des Jägers / ハンターの楽園
3. Nina Horvath / Die Duftorgel / 芳香オルガン
4. Karla Schmidt / Auf dem Wind. Allein. / ただひとり。風に乗り。
5. Ernst-Eberhard Manski / Zeitlupenwiederholung
   / スローモーションでもう一度
6. Florian Heller / Das Ende der Party / パーティの幕切れ
7. Uwe Post / Träumen Bossgegner von nackten Elfen?
   / ボスキャラどもは裸エルフの夢をみるか?
8. Nadine Boos / Kryophil / クリオフィル
9. Holger Eckardt / Das letzte Taxi / 最後のタクシー

※以前マガンからの指摘もあったのだが、カーラ・シュミット作の原題は “Allein. Auf dem Wind” が正しい(作者のブログでもこちら)。ただ、DSFPのサイトではノミネート時も今回も前後逆になったままである。念のため。

ちょw ジョーイ君まさかの受賞かよw
(『自由貿易地域にて』の内容についてはこちらの記事を参照のこと)
男って悲しいよなー、という感想は、たしかエシュバッハの『ハロウィン』を取りあげたときにも書いた気がするのだが……まあ、今回はそういう主旨の話じゃないか(笑)

■ドイツSF大賞公式サイト:www.dsfp.de

Posted by psytoh