2900話:こぼれ話

ローダン

わりと長くなった……というか、1回目を通した後、アタマから読み直しつつ書いているので、こうなるのは必然というか……。

『エスタルトゥへの道』にまとめ直す前、1200話台後半各話のあらすじをマガンに(一方的に)送りつけていたのが、ちょうどこんな感じだったろうか。今更ながら、すみませんw
そんな手順のわりに、いまいち話のおさまりが悪くて取りこぼしたエピソードなどもある。蛇足ではあるが、少しだけ解説につきあっていただきたい。

2900話の詳細な目次は、以下のとおり:

プロローグ 新たな絆
 1 水星へのピクニック
  考古学者寝坊する
  深淵へ
  長閑なスプリント
  覚醒
幕間 前夜
 2 邪魔の入るレセプション
  タワーにて
  そわそわ、もぞもぞ
  大きな兄弟分
  光、灯る
幕間 最後の夜
 3 指をさす
  死にゆく恒星
  生と死の狭間で
  新しいホーム
  〈ネット〉
幕間 宇宙を観る目
 4 世界滅亡の日記
  誘導灯
  メッセージ
  此処にいる友
  最後の瞬間
エピローグ 星々へ!

1章の「考古学者寝坊する」と「長閑なスプリント」は、共に寝坊したデジオ・ガッタイが大焦りしながら発掘現場へたどり着くまでのエピソードなのだが、全カットした(笑)
現場では、「普段は信用のおける人物なんですが……」とかロッツィ女史がフォローしたりしているのだ。
序盤でさほど役割をなしていないわりにこの取り上げようなので、準レギュラーなのではという予想は当たったっちゃ当たったんだけど。今後出番あるのかにゃあ。

ローダンたちがハレム・アーミーを初めてみるシーンでは、ひとつ重大な問題がある。
58m×135mの洞窟にずらりと並んだハレム兵。最終回でちょっと書いたとおり、縦横まんなかに通路みたいな隙間が空いていて、四等分されているのだが……。
ファリエさんがローダンの後につづいて、通路を歩きつつ勘定している。
左に15体の兵士、右に15体。(中略)23、24、25。列の背後に、彼女の歩むものと直行する隙間が(中略)ファリエは第2のブロックの後列を見やった。ざっと数えて、また25列。
(中略)
15×25、ということは象限ごとに3000体の人形。すなわち全部で……
「12000体」と、口をついて出た。

……えーと。15x25x4はいくつだろうか(爆)
何回読んでも、x8を意味するフロアとか見つからないのだ。
これ、公式フォーラムでもひとりだけツッコミっぽいの入れてるんだけど。レスがつかないなあ(–;
……やっぱナニか読み落としてるのかなあ。

3/29追記:
レスがついたー……けど、なんだコレ(笑)
『15×25、象限ごとに3000体――ほぼ、ってしとけばいいのでわ。』
……超意訳だけど。いや、マジでなんだコレorz

幕間「前夜」は、タルターン系第1惑星エペチュアンにおかれたジャーバッジ基地駐在の2人の科学者、170歳の宇宙心理学者ミュルディン・ホークと、50歳の宇宙言語学者ユーマ・リーさんのエピソード。
お互いになんとなく気になっているのに、年齢が壁になったご様子。(……わしがもう100歳若かったらなあ)とか大爆笑していたw

実はこの段階で、マンダーム人の主導的な国家がクルマー帝国だとか、帝国が惑星の反対側に築いた開拓コミューンが重税にあえいでいるとか、あとでテーラー君の境遇にからんでくる説明が書かれている。
最終的に、可動式災害時避難セルで生き延びたふたりはイロイロ吹っ切れた感じ。“職場”が消滅した両名は、ローダンの誘いに乗って《ラス・ツバイ》のメンバーとなる。考古学者より出番ありそーな気もするが、さて。

オピテル・キントの綴りはQuint。ナイク・キント(Quinto)とは微妙に異なる。エルトルス人の血をひくという話は、実はひと悶着終わってローダンと自販式レストランに入ってからの会話。
出会い(笑)のわりにファリエさんと脳筋思考が合いそうとか、多少気になるところはあるが……職業柄、《ツバイ》に搭乗することはなさそうだし、アダウレスト関連で今後の活躍があることを期待したい。

「そわそわ、もぞもぞ」あたりで到着する、ファリエさん指揮下の陸戦隊兵士は全員名前もあるのだが、こちらも全カットした。再登場したら考えよう(笑)

幕間「最後の夜」は、テーラー君が被災する話。惑星反対側のコミューンから、伝統的なお仕事について教育する余裕がないのでいとこの家に預けられたとか、いとこ一家とうまくいってないとか、いろいろ書かれている。

カントヴァイネンが留守番パイロット……というのは、《ツバイ》では一番新米だから、ということみたい。他のパイロットとしては、ブリオニー・レフ(たぶん初登場)、《アトランク》の生還組、ルアさんとフォーゲル君の名前も挙がっている。本来、能力的にはファリエさんもこっちだと思うのだが。はてさて。

幕間「宇宙を観る目」で登場するブルー人ユスリュユンだが、問題は彼のプロジェクトの名称〈無限の昏き獣の目〉。
シリーズのどのあたりからこうなっているのか、わたしはよく知らないのだが。ブルー人の驚くセリフなどで「ほにゃららの○○色の獣(クリーチャー、被造物)に賭けて!」みたいな表現が慣例である。第××先見とかと同じく、ブルー人特有の文化といえよう。
なので、これは〈無限(に広がる大宇宙)の昏き(背景色の)獣の目〉あたりが、正しい意訳(笑)なんじゃないかな?
シャロウンとか、LFGの関係部署のヒトが略したくなるのもむべなるかな。

英語が「死語」「学術用語」扱いされているのは、今回はじめて明記されたみたい。
確かに太陽系帝国の時代から、「公用語はインターコスモ」だった気がするし。
でも、改めて母国語を「死語」扱いされたローダン氏は寂しそうであった(笑)

グッキー・テレポート・アンリミテッドは、有限会社の逆、無限責任会社の意味だろうが、なんとなく「無責任会社」と訳してしまいたくなるのはなぜだろうか。

最後に、タイトルの「宇宙遺産」だが。
タイトルは中性名詞なので、遺産でまちがいないだろう。
そして「メッセージ」において、ハレム・アーミーがローダンのことを「放浪者の継承者(男性名詞)」と呼びかけていることから、ローダンが・〈それ〉の力の集合体を・継承する、と、そうみなされているようだ。

このサイクルは、銀河系を含む〈それ〉の力の集合体の帰属をめぐる物語、ということになるのかならんのか。
なんせもう次は3000話である。期待したい……というか、頼むぜヲヒ(笑)

Posted by psytoh