時間ダイヴァー -1-
なんとゆーか、5秒で6万3000隻って、秒あたり1万2600隻? まあ、ソル=コボルト間は2000万キロ超とはいえ、かなーり無茶な作戦な気がするのだが……(笑)
ま、それはさておき。例によって以下はすべて試訳。
■9p
地球が、全人類が、いまほど克明に隷属化の脅威にさらされたことは、かつてなかった。
〈どんな脅威も、多大な犠牲をはらい、文字通り最後の瞬間にではあっても、はらいのけてきたではないか。いつもその場にいたはずだろう!〉と、付帯脳が釘をさす。
肩をすくめる。いまいましいほど多くのものが、われわれにかかっていた。わたしはプランの詳細を知る、ごく少数のひとりなのだ。
#いつだって、ぎりぎりなんだから。つーか、第三勢力の時代から、一歩まちがえば人類皆どれーな事態はよくあること。変に省略するから、肩をすくめる理由がぼやける。
■10p
ひとりの将校が歩みよってくる。ふりかえると、痛いほどの憂慮を浮かべた顔と向かいあった。きっとわたしも、こんな表情をしていることだろう。
#顔をゆがめた、って。いや、ゆがんでるのかもしれないけどさ。
「うむ、すまんな。わかっている。コンタクトは保っているか?」
「は! 接続は良好であります。さしあたり太陽系が時間のどこにいるかはわかりませんが、シグナルがくれば確実に受信できます」
「ありがとう、マヘル!」といって、前に向きなおる。まもなく開始される、途方もない作戦に思いをはせて。
#ATGで未来にいれば、太陽系とコンタクトはとれない。あくまで、通信リレーの状況をたずねている。また、誤訳ではないが、zeitlich wo ……時間的にどのあたり、というちょっと捻った表現をストレートに“いつ”とやるのは、寂しい気がする。
あと、相変わらず、時制読めてないのか……?
■11p
二三週間、いや、もっと前か。ローダンを含めたメンバーで、われわれ、大計画をまとめあげたのだ。
#原語はRhodan und wir 。ローダンとわれわれ、である。まさか、「ローダンと朕」と読んだわけでもあるまい?
■12p
作戦を指揮するのは、遠征指揮官からスライドした、わたし自身だ。自分のからだがこわばっていることに気づく。なにが起きるかわからない。強いて思考を本題へとひきもどした。テラナーの恒星転送機ツイン=ソルには、またしても試練が待ち受けていた。
#太古の遠征隊って、なんにゃ? 最後の文は、直訳すると「ツイン=ソルと呼ばれる、テラナーの恒星転送機は、再度テストされることになる。」……真価を試される、とか、そういうニュアンスだと思われ。確かに原文は sollte erproben だが、これを「テストすべきである」と読んだら、前の文章とつながるまい。
■13p
ローダンはこれらの艦艇を太陽系で必要としている。乗員中の代替のきかないスペシャリストや、貴重な特殊機器も。どれも“大計画”と呼ばれる大胆不敵な試みの一部なのだ。このプランを用いて、われわれはラール人とヒュプトンから逃れてみせる。小さな衛星なら動かせるトラクター艦、高度な航行能力を持つラボや発電所、その建造に帝国が幾世紀を費やしたあらゆるタイプの大型艦。これら至宝ともいうべき貴重な特殊艦隊を、われわれは必要としているのだ。
……太陽系で!
#まだ、太陽系から逃げる説明ではない。逃げるために、太陽系にかき集める説明をしているのだ。「~必要としている。」は、前の段落にもあって、確かにクドい気はするのだが、それを省略することで文意が変わってしまうのはいかがなものか。
■15p
ローダンはインペリウム=アルファで艦隊の到着を待っている。ジャンプのためには、わずか数秒間のインターヴァルしかない。全作戦が、連結された複数の大ポジトロニクスによってチェックされ、運行される。すべて決定するのは計算脳だ。最初の時間コンタクトの瞬間も、ジャンプ・インターヴァルの継続時間も。わたしのスペース=ジェットが最後尾で恒星三角の接点を通過し、同時にソル近傍に出現した際に発するシグナルを受けて、ATGフィールドが振り子運動を再開することになっている。
#アトランのジェットが完了シグナルを発する話は、あとで重要。これがちゃんと訳せてないのは、別にクナイフェルの原文のせいではない。
■16p
艦長たちはいずれも、自分のすべきことを正確に心得ている。加速し、それから制動をかけ、陣形をたもちつつ所定の位置へと移動すればいい。
もし……すべてがうまくいけば。
#クナイフェルらしいというか。加速して(転送機をくぐって)ブレーキをかけて(太陽系に場所をかえて)陣形を組みなおす――と読むべきだろう。
で、原文は mußten sich schieben なので、「移動せねばならない」はずだが、うまくいかなかったら宇宙戦が追加で待っているので、敢えて「~すればいい」としてみた。
■17p
大スクリーンを見つめる。陣形を組んだ宇宙船が星々のはざまの空間を遊弋している。
#まだ、送り出しポイントへ向かっちゃダメでしょ。シグナル来てないんだから。
「注意! こちらアトラン。たったいまシグナルが届いた。受信態勢をとれ!」
#このあと、時間シグナル到着によって修正されたタイムテーブルが送信されて、各艦の生体ポジトロニクスが受信する。(18p)……こっちもまちがえてるな(苦笑)
■20p
インターヴァル継続時間をしめすブザーがとだえた。わたしを含め、全員が、疑念もあらわに顔を見かわす。それから、ローダンは作戦終了を告げるわたしのジェットからのシグナルを待つだろう、と考える。わたしはかぶりをふると、前方をさししめした。
#たぶん、原文が Impuls と Interval をまちがえている。「5秒すぎちゃったよ、どうしよう?」「ペリーはわたしが着くまで待ってくれるさ!」……楽観的~♪
最後の文章、「わたしは思考をふりはらうと、前進を指示した。」くらいでもいいかなあ。
■21p
非物質化・再物質化の苦痛にそなえて身をかたくする。わたしはシグナル・ボタンに指をあてがった。周囲は暗赤色に輝いている。そして、ひきつるような痛み。たちどころに、周囲の光が黄白色に変わった。意識をうしなう直前、スイッチを押しこんだ。
われわれ、ほんとうに目的地に着いたのか?
#なんでそこまでいじるかな。ま、転送が終わってから失神ってのも変な話なのだが。
……とゆーか、なんでそこだけマニュアルなんだ? >アトラン
原文は、気力がわいたら追加するかも。
……その前に、「超空間をこじあけて -尋問編-」がなあ(爆)
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