記念巻の年・インタヴュー攻勢

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今年はローダン・ヘフトが3000話、NEOが200巻を迎えるということで、2月9日のイベントを含め、いろいろと企画が目白押しなわけだが。年明け早々、あっちこっちで作家のインタヴュー記事が掲載されている。

(1) ファンツェントラーレ・ニューズレター

ペリー・ローダン・ファンツェントラーレ(PRFZ)の会員連絡紙ニューズレター27号の、プロモ版が公開された。宣伝用に、会員登録していない人でも読めるようになっている。
本紙では、新サイクルでヘフト本編を執筆する予定のアンドレアス・ブランホルストや、NEO草案作家のリュディガー・シェーファーなどの分も収録されるそうだが、プロモ版では2995話、2997話を担当するウーヴァ・アントンの記事が1面使って掲載されている。

インタヴュアー言うところの“サイクルを〆るスペシャリスト”には笑ったが、確かにアントンは、1999話「鼓動」に始まり、トレゴン・ラージサイクルの幕切れである2199話「仄暗い未来」、2299話「アハンダバ」、2499話「犠牲」、2699話「ニューロヴァース」、2899話「星墓」と、作家チームに参加して以来、大物どころの〆をほとんど担当している(「テズ」は…無理w)。今ジェネシス・サイクルの幕切れは、新鋭カイ・ヒルトに譲った形だが、上記2話はゲメン関連の話の終幕→銀河系への場面転換(登場人物紹介にグッキーがいるので)までを引き受けている。

実際はこれから発売される号のことなので、内容については触れていないのだが……「間に1話挿入されてるけど、典型的な前後編だよ。2997話は2995話が終わったとこからはじまるんだ」という表現に、アレ?2996話もアトランたちの話だよね?と思ったら:間の1話、アトランたち覚醒したゲショドの勢いに呑まれて回想シーンで終わってたのには苦笑したw
「2000話に続いておまけテキストで参加できる唯一の作家なのは誇らしいよ」って……あー、当時の作家、あとはもうヘーンゼルとシュヴァーツしか残ってないのね……。

(2) ガイスターシュピーゲル

オンラインマガジンGEISTERSPIEGEL(どうにも、雲外鏡.deとやりたくなるタイトルだ。おんじー)では、その間の2996話を担当したミシェル・シュテルンのインタヴューが掲載されている。インタヴュアーが同じアレクサンドラさんなのはご愛敬(笑)

ミシェル・シュテルンは、本邦未紹介の作家さんである(→新作家、ミシェル・シュテルン)。以前書いた、NEO第3シーズンのハヤカワ版が実現するなら、その2巻目『初代トルト』を担当しているので、それが初訳となるだろう。参加からまもなく、記念号である2800話「時割れ(Zeitriss)」をまかされたり、評価は高い。

今回のお題である2996話「ショド期」は、おそらくは超知性体ゲショドの記憶。これまで知られていなかった〈それ〉の補助種族メリル人の船が、超知性体として覚醒したばかりのゲショドのもとを訪れる話である。
が、これまた記事の日付が発売日前日/Kindle版の公開日なので、詳しい内容には触れていない。

なんというか、頭の切れそうな女性である。“嘘吐き”の異名をもつカピンのタマレイルを「創造性に富んだ語り部」と評したり、これまでに登場した超知性体というネタに、「ワタシがチームに参加するより前に、ワタシにちなんだ名前の超知性体が出てくるのはおもしろいわね」(2000万年前の超知性体〈星(STERN)〉のこと)と返したり。

今回の話の登場人物が、アトランを除くとほとんどが女性で占められていることにインタヴュアーが触れると、大学時代に研究のテーマのひとつとしてシリーズ物を取り上げたことがあって、女性読者の共感を呼べる女性登場人物の出てくることが当時すでに当たり前であったと回答。今回のメンツがこうなったのは、草案の指定でもあり、ローダン・シリーズも時代とともに成長しているのです、とのこと。
まあ、かつてローダン世界の星の海は(軍人さん万歳な)男の世界だった。それが変わったのは、おそらくは新銀河暦が導入されたコスミック・ハンザ時代だと思われる。ニッキー・フリッケルも、たしかもうハヤカワ版でも登場してるよね?

(3) 公式ニュース

そして今度はそのミシェル・シュテルンがインタヴュアーに転じて、NEO草案チームのシェーファー&ショルムに〈けだもの〉シュタッフェルのクライマックスとその後について訊ねる企画。同じものが2996話のLKSにも掲載されたらしい。

そして……なんでこんなにぶっちゃけてるんだコレ(笑)

「〈それ〉とアンドロスの間の宇宙チェスは終了します」
「〈闘争(Ringen)〉も終了です」

おいおいw ホントに単なる局地戦になっちゃったよ……。
ローダン・ヘフトは、いろんな作家がちょろっ、ちょろっと(意図してか、無意識にか)残した伏線を、10年20年積んだところでフォルツが取りまとめてデータファイル化して、エーヴェルスみたいな作家が好き勝手しても(笑)どうにかなるように世界構築したわけだけど。こう、次から次に舞台背景片付けてっちゃ、積立もナニもないよーな。
#ま、名前だけ同じで、まったく別モノ扱いしてて、どう転ぶかわかんないネタもいっぱいあるけどね。トマスとか、ネーサンとか。
#NEO版長女ナタリーちゃんは、ホモ・スペリオルかね?

一番笑ったのは、
シェーファー「ホントは今休暇中で……この文章も、パルマからドバイへ向かうクルーズ中に書いてるんだ。あ、でも草案作家としては常時営業中で、並行してNEO195巻と新しいe-book企画(おそらく”Mythos 失われた世紀”の一作)も書いてて、もう110%いっぱいいっぱいです」
ショルム「リュディガーが駱駝を乗りつぶして日焼けしまくってる間、相方のボクは194巻書いて、データシート作って、作家や校正さんの質問に回答して、195巻以降の草案書いて……200巻からもプラン練ったりディテールをつめたり。フォルツ御大やボルシュパイセンがどうやってこんなのひとりで何年もこなしてたのか、謎だよね」
シュテルン「わたしにも謎です(笑) ボルシュは信じられないほど構造化して動いてて、その分超早起きでした。まあ、規律なんてものは、カオティックな文筆業のクリシェとは相反するものですけどね」
#キミたち、本来必要ないものに懲りすぎるからだと思うですよ……(爆)

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Posted by psytoh