うちの辞書:独和編

辞書

あんまりイタい話ばかりなのもナニなので……つーか、こっちの方が、実はもっとイタいかも(笑)
自称・辞書フェチ(爆)なわたしの家には、まっとうな百科事典とかはないくせに、ローダン読むため・SF訳すため、と称して、やたらと辞書・辞典の類が多い。いったいどのくらいあるものやら、そのうち整理しようと思いつつ、ほったらかしである。何かの参考……にはならないと思うけど、こんなものがありまっせ、というだけの話。

まず、ローダンを原書で読むうえで、どうしても必要な独和辞典。

一番最初に使った独和は、高校の図書室にあったもので、独和・和独が一冊におさまったハンディタイプのものだった。これは、もはや出版社すらわからない。現ソラー・フリートの井口氏の共同輸入に交ぜていただき、はじめて手にとった原書である400話『たそがれの人類』をテキストに、受験勉強のふりして図書室でレポート用紙に翻訳の真似事をしたのだが……結果は以前、FC会誌版の誤訳天国で書いたとおり。全面改訳のうきめにあった。いや、辞書のせいじゃなくて、文法をまるで知らなかったせいなのだが。

続いては、大学の第二外語のために購入した辞書。
●現代独和辞典(三修社) 見出し語数96000語
1984年に購入し、初期の原稿はこれ一冊でどーにかした。購入した理由は単純、学校指定だったから。教科書といっしょに並んでいたのだ。しかし、ぼろぼろになるまで使ったのは、当然というか、大学の授業ではなく、ローダン読むためである。その余禄は、『エスタルトゥへの道』等の要約集として結実した。最終的に、ページがずっぽり抜け落ちてしまい、ご臨終に。4000円。
現在は、後継である新現代独和辞典が書店に並んでいる。

●独和大辞典(小学館) 見出し語数160000語
1985年に出版されたバカでかくかつバカ高い辞書。当時、25000円というのは大金だった(今でもそうだけど)。確かパチンコの勝ち分をつぎこんだおぼえがある(笑) 語数の多さは伊達ではなく、複合動詞などを調べるのに役立った。大学中退して市川へ流れる際、そのバカでかさがアダとなり、古本屋行き。
いまは第2版、しかもコンパクト版が出版されている。値段もけっこうお手頃に……辞書コーナーに行くたびに、買い直そうかと手にとっては棚に戻している(笑)

●マイスター独和辞典(大修館) 見出し語数65000語
上記の現代独和辞典がお亡くなりになった後を受けて、現在も使用している。見出し語数は3分の2になっているが、実際の使い勝手はそんなに変わらない。3900円。
なぜこの本を選んだかというと、その少し前、カンターロ・サイクルで頻出した vernetzen 「ネットにつなぐ、ネットワーク化する」という動詞が載っていたのが、当時これだけだったから。実にローダン優先でわかりやすい理由である。
さすがに最近、これもページが切れはじめた。そろそろ買い換えどきかもしれない。先日遭遇した新語(?)、Malessen が載っているやつが欲しいのだが、みつからずにいる。ご存じのかたはご一報を。

あと、たまに使っているのが木村・相良のコンパクト版。元々はマガンが愛用しており、やや文語的な訳語……有り体に言うと少々古めかしい訳語が、最近の辞書には載っていない意味を教えてくれるので、結局自分でも購入してしまった。

さすがに20年もローダン読んでいると、大意をとるだけなら辞書がなくてもどーにかなる程度にはなったが、ちゃんと読むにはやっぱり辞書は欠かせない。いつかこれぞ!というのに出会いたいものだが……。
サイト「電脳独語教室」の統計を見ると、30種類以上出版されているという独和辞典。実際の本屋でそんなに並んでいるのにはまだお目にかかったことがない。至高(だか究極だか)の辞書にめぐりあう日は、やってきそうにないのだった。

Posted by psytoh