3000話おまけ「新しい時代へようこそ!」

ローダン

さて、どーにか3000話の要約も終了……したところで。
いちおう、コレも紹介しておこうか。

「新しい時代へようこそ!(Willkommen in einer neuen Zeit!)」。

プリント版だと巻中12ページの、9人の作家による9つの掌編。
基本、新情報は一切ないので、そのつもりで。

-*-

オルゴナイト神話(Mythos Orgonit / Kai Hirdt):

テラナー(笑)相手に怪しいアーティファクトを販売している故買屋の話。
はいプロフォス産のアミュレット(よし買った!) どうやら今回の客は懐が相当暖かいらしいと、とっておきをひっぱりだした。こいつはテラの都市チャイナで作られたとゆーいわくつきの代物(ビーム式掃除機・未開封)で……あれ? お客さん?
「う、嘘だ! テラなんて、テラなんてホントウは存在しないんだー!!」
お、お客さーん!? ……あーあ、いっちゃった。どーすんのこのアミュレット。
ひらりと舞い落ちる小さな紙。「製造:テラ 中国 天津市」(ホンモノでした)

オデマス神話(Mythos Odemas / Uwe Anton):

どこぞの宗教家が子供たちに言い聞かせている説法の話。
創造主ペレグリヌス(放浪者)だとか、テラナー(笑)の故郷はTi(テラ・インコグニタの略)だとか、偉大な執政者マグヌス・アドミニストラトスマンチェステリ(ローダンの出身地はマンチェスター)とか、微妙な概念が入り交じる、オデマス様によるテラ神話創造の“真相”。
Odemaは「神の授けもの」という意味らしい。

旅行神話(Mythos Reisen / Oliver Fröhlich):

テラナー(笑)相手の、神話をモチーフにしたテーマパーク“テラの首都ミュソピア(Mythopia)へようこそ!”のツアコンの話。
いやあ、昔、娘がここの案内ドローンに聞かせてもらった話がおもしろかったって言っててねえ……ドローンいないの? テラナー(笑)の旅行熱が下がって、経費削減のためドローンはもういませんという世知辛いストーリー(爆)
……Piaミュソ……いや、なんでもないw

アトランティス神話(Mythos Atlantis / Verena Themsen):

分別ついたおねーちゃんに妹がいちびられるお話(笑)
え、なに、土(Erde)なんてどの惑星にだってあるじゃない、とかゆーセリフはまさにデュマレスト/フレイミング・ベスを思い出して草。
アトランティスはあるもん! へー、どこに? ……テラに。ぷっ、神話の中にそのまた神話? 言い負かされ、くっ、わたしはあんな年寄りにはならないわ! と憤る妹さん。
でも、ねーちゃんのセリフ見てると、なんとかの王、はまだしも、震動勢力とかコロニーの離反とか大群による愚鈍化とかシミュセンスとかメイルストロームとか……すっげー詳しいで?(笑)

信じる神話(Mythos Glanbe / Susan Schwartz):

宙航士向けのバー〈最後の出口ラスト・エグジット〉で飲んだくれているテラナー(笑)の話。
「ホントなんだ。伝説じゃないんだ。存在するんだ。どこか、どこかに。必ずみつけてみせる」「はいはい、あんたらテラナー(笑)ときたら、いっつもそうだ」「夢だとわかってるから、そのザマなんだろ」「テラは……夢なんかじゃ……」
でも、そう……ひょっとしたら……あんたらの言うことの方が、正しいのかも……。ぐぅ……zzz。
「信じ続けたまえ」と、後ろから誰かの声。緑の瞳の知らない男が立っていた。「信ずることを忘れないで。わたしはちゃんと、わかってるから」
目をしばたたいて、起き直ると、男は消えていた。幻? それとも……。

メルヘン神話(Mythos Märchen / Michelle Stern):

タルク少年を寝かしつけるママが語るお伽噺の話。
壁には渦状銀河のホログラフィ。毛布を肩までひきあげてやり、ママが語りはじめる。
「昔々、ふたりの星の王子さまが治めるテラという世界がありました。ふたりの王子さま、アトラノスとローダノスは、まるで似ていませんが兄弟でした。ふたりには、グックをはじめとするたくさんのミュータントが仕えていて、いちばん強いミュータントはローダノスのお妃さまでした。お妃さまはエイリスを作ることができ、オン量子とノオン量子さえもひれふすと言われていました……」
いや、ハルト人かと思ったぜ! ってか、お妃さま……。
「お眠りなさい、わたしの宇宙英雄」と、ママが去ったあと。寝たフリしていたタルクくん。「ボク、もうお伽噺なんて歳じゃないもん」(笑)

ファン神話(Mythos Fans / Leo Lukas):

とあるチャットにおけるマニアの自慢話(笑)
Ivica>聞いたか聞いたか。新しいカードが出たんだぜ。
Ivica>プロモ用の超限定500枚! アリメントのゲームフェスで2枚手に入れちゃった♪
Ivica>じゃーん! 「テラ」!
Ivica>「細胞活性装置」と合わせて使うと全パラメータが2倍!
Ivica>「神話」ブースターとのコンボで敵艦隊の攻撃をほぼシャットアウトだぜ!
おいおい、ツインスター・コスモコントール(販売会社)狂ったか?
〈カイラの覇権〉だってひっくり返せるじゃん!
今日もネットは大騒ぎであった……。

ローダン神話(Mythos Rhodan / Hubert Haensel):

祖先の故郷を発見した考古学者……と、思っている男の話。
小さな太陽が地平に沈もうとしている。アイアスは歓喜の叫びをあげようとしたが、薄い大気のためつけている呼吸マスクのせいでうまくいかなかった。
最後の希望を持って訪れた銀河辺境の惑星。こここそは、人類の故郷テラ。
おっと、アーティファクトか。埋まっていたのは全長5メートルの彫像。これは……ローダンか!?(鼻の横の傷は伝説通り) 思わず跪き、祈りを捧げる……。
部屋の外:「彼はもう駄目です。投薬量も限界。あの壁、手で彫ったんですよ……まったく、テラナー(笑)ときたら!」

テラニア神話(Mythos Terrania / Christian Montillon):

とある賢者に耳を傾けるオクンリン氏の話。
こう始めましょうか。あなたもまた、テラナーである、と。
あなたはいま存在せず、かつて存在もしなかった惑星を発祥とするもの。誰もがそう信じています。そう聞かされてきたはずです、生まれてから、それらの伝説を。さあ、目を閉じて。自分の中に耳を澄まして。何が見えますか?
「何も」と、オクンリン。
では、見えないことは、わたしが存在せず、かつて存在もしなかったということでしょうか。わたしの存在を、あなたは否定できますか?
「…………」
あるいは、わたしはテラを知っていたかもしれません。山を、海を、街を、火山を、湖を、日没を、自分の目で見たことがあるかもしれません。ゴビ砂漠にそそぐ光を、素晴らしき宇宙都市テラニアに灯る明かりを。あなたはそれを、信じますか?
……信じますか?(笑)

Posted by psytoh