309巻『反ホムンクの強襲』刊行

ハヤカワ版

ハヤカワ版、3月の新刊である。著者は前半「ポジトロニクス争奪戦」が先頃亡くなったクラーク・ダールトン、後半「反ホムンクの強襲」がハンス・クナイフェル。訳者は渡辺広佐氏。
PADをめぐる戦いも、ついに終盤戦である。

「ポジトロニクス争奪戦」は、前巻『アンドロ・ペスト』とリンクしており、ティフラーたちがようやくたどりついた二百の太陽の星でも、中央プラズマの救難信号を聞いて駆けつけたワリンジャーやグッキーたちが悪戦苦闘していた……という、いつものやつである。なんとゆーか、中央プラズマ自体は感染しても意志力でだいじょーぶ、という時点で、なんだかなァなありさまだが。

一方、後半では様相が異なってくる。第三期……末期的症状を呈しはじめたテラナーたち。そして、おそらくは銀河系で唯一の「PAD免疫者」コル・ミモの登場と、これを抹殺するために派遣されたアンドロイド〈反ホムンク〉との死闘がテラを舞台にくりひろげられる。こうなると、〈反ホムンク〉と自称した時点でルール違反は確定なんじゃないかとか、そーゆーヤボなことは言うまい(爆)
表紙に描かれた奇っ怪な人物が、おそらくコル・ミモなのだが、PADに冒され、乱チキ騒ぎに精根尽き果てた人類と銀河種族を救えるのは、君しかいない! となると、やっぱり応援したくなるものだ……。

コル・ミモの「仮説」がどんなものなのかは、(たぶん)次回で明らかになる。来月は、ミステイクを修正するための大道具をさがす前後編である。

Posted by psytoh