時間超越 -8-

ハヤカワ版, 誤訳

「時間超越」の赤入れ、第8章は短いので、さくっといこう。

あたりまえだが、ブラックホールに消えたアラスカから、何の連絡もないまま48時間が過ぎようとしている。いらだつ司令室の面々に対し、いろいろ責任でも感じたのか、ローダンだけが堤防と化したようだ。
……ある意味、漫才であるw

■224p

ハヤカワ版:
ペリーは苦笑した。
原文:
(なし)

試訳:
(なし)

見破られたっぽいなー、だ。そこで笑ったらバレバレである(笑)

■225p

ハヤカワ版:
「約束する。ただのルーチン作業だ。心配はいらない」
原文:
“Ich verspreche, daß wir uns nicht weiter darum kümmerun, wenn es sich um etwas Alltägliches handeln sollte”,

試訳:
「約束する。もしこれが日常的なものであれば、それ以上関知しない、と」

作業がルーチンではない。通信の内容がルーチンか否か、なのだ。

ハヤカワ版:
「いえ」と、ジェフリー・アベル・ワリンジャーが皮肉に、「正確には、すでに三分半ほど超過しています」
原文:
“Nein”, bestätigte Waringer ironisch. “Es fehlen noch dreieinhalb Minuten.”

試訳:
「それはもう」と、ワリンジャーが皮肉に、「あと三分半も足りませんな」

前の文章が「まだ経過していない(noch nicht vorbei)」だから、Nein は肯定の回答である。
だからこそ、ワリンジャーは「皮肉に認めた」のだ。

ハヤカワ版:
「非常シグナルか!」ローダンは満足そうにくりかえした。
原文:
“Notsignale!” wiederholte Rhodan. Fast hätte er seine Zufriedenhait zu deutlich gezeigt.

試訳:
「非常シグナルか!」ローダンはくりかえした。あやうく満足げな表情を浮かべるところであった。

だから、そこで満面の笑みを浮かべたらバレバレだとさっきから(笑)

ハヤカワ版:
偶然に拾った非常シグナルにいちいち反応してたら、
原文:
Wenn wir uns um jedes Funksignal kümmern wollen, das wir zufällig aufschnappen,

試訳:
「たまたま小耳にはさんだ通信にいちいち反応してたら、

非常シグナル、ではない。なんか通信に、である。
あと、非常シグナルっつーか、「救難信号」じゃない?

■226p

ハヤカワ版:
無理もない。宙航士たちは一秒でも早くこの空間をはなれ、銀河系に向かいたいのだ。この十年、ずっとそうだったように。
原文:
Kein Wunder, es hielten sich fast ausschließlich Raumfahrer in diesem Raum auf, die die Milchstraße als ihre Heimat ansahen und endlich wissen wollten, was sich dort in den vergangenen Jahrzehnten ereignet hatte.

試訳:
無理もない。いまこの部屋にいる宙航士の大半が、銀河系を故郷とみなし、そこでこの数十年に何があったかを知りたくてやきもきしているのだ。

《ソル》生まれはどっかで凱旋パーティでも開いてるのか?(笑)
fast ausschließlich は「ほぼ独占的に」。Jahrzenten は複数形なので「数十年」。まあこの数字は、具体的にはメールシュトロームへの誤転送以降のことだろうから、「一世紀余り」などとする手もあるだろう。だいたい、「この十年」って、ストーリー上はしょられてる部分じゃないの。

ハヤカワ版:
 この時点では、そこでなにを発見するか、だれにもわからない。
原文:
Niemand konnte zu diesem Zeitpunkt ahnen, daß dies der Auftakt einer unheimlichen Entdeckung sein sollte.

試訳:
 この時点では、これがあるぶきみな発見の序曲であることを、だれひとり予感すらしていなかった。

次が新人作家パットンなので、見え見えの伏線というかヒキである。

……。
よーし、終わった終わった(笑)
笑いごとじゃないや。9章、マジどーすっかなぁ。最初の3ページ、文字通り真っ赤なんだよなぁ……。

Posted by psytoh