オーグ・アト・タルカン

ハヤカワ版, ローダン

ハヤカワ版で現在進行中のエスタルトゥをめぐる物語も第2部終盤。ブルやローダンがそれぞれの手段でたどりついたラオ=シン四太陽帝国――タルカニウム――の中心フーベイ。オーグ系フーベイ。事ここに到れば、アッタル・パニシュ・パニシャ、オーグ・アト・タルカンとラオ=シン(カルタン人)の関係を疑うものはいまい。

ここいらで、前サイクルから敷かれていた伏線をふりかえってみよう。

それらは皆オファラーである――戦士教団の神話的黎明期の人物、あらゆる師の師の最初のひとり、アッタル・パニシュ・パニシャを除いて。その彫像はすべてのウパニシャドに置かれ、どれも同じ形状をしている。身の丈ほぼ2メートル――原寸大の写しであるかはさだかでないが――およそヒューマノイド型の存在を表している。頭蓋前部は円錐状。先端左右には毛のようなものが数十本、扇状に突き出ており、ヴォルカイルはさらなる知覚器官か触角と考えた。細長い結晶素材は内側から輝くかに見える。

1278話「エルファード人」(マール)

以前Twitterで「おヒゲですにゃん(笑)」と書いたが、あの訳では伏線にならないのである。
(えらそうなこと言ってるが、『エスタルトゥへの道』では遡って解説書いてるからできたことw)

 アッタル・パニシュ・パニシャなるものは一種のスーパー・ストーカーだと想像していた。だが目にしたのはストーカーとはまるでちがう存在だった。ソトやパニシュたちとの類似性などまるでない。人間とも異なるが、ほぼ2メートルのヒューマノイド型をした存在の彫像である。顔は完全に非人間的。口吻部が突き出るように前後に長い。口自体はエスタルトゥ第三の道のシンボルと似ていなくもない、三つ叉の切れ目からなる。その左右に結晶構造を思わせる細く長い針の束が刺さっている。何を意味するのかは謎だ。
 ストーカーが腕を下ろし、我々に像がよく見えるよう脇によけた。「その本来の名はオーグ・アト・タルカン」と、熱意をこめて、「彼こそは恒久紛争の創始者にして最初の永遠の戦士。エスタルトゥの力の集合体すべてのウパニシャドでその立像が尊崇されている。およそ法典の教えに触れたる者、敬愛をしめさず通りすぎることはない」

1291話「眩まされし者たち」(エーヴェルス)

上述のツイートで「ティフが見る時には、口元の描写もあったような……。」と書いたのがこれ。
(原文のhominidはこの時期多く誤用されている。「ヒト科」ではなく「ヒト型ヒューマノイド」)

前回より猫っぽい描写。ただ、この時点でティフラーは惑星カルタンを訪問済みなので、類似に気づかないのはちょっと変。アンティマコス投与前でストーカー愛が強すぎた(笑)のか、それとも彫像がよほどカリカチュア化されてるんだろか。
まあ、気づかれたら、シングヴァよりも全知女性チームの皆さんが大慌てだろうけど。

〈御者となるのは、ネットウォーカーの組織が創設されたと同じ頃、おのが精神材を広めたもの。ふたつのイデオロギーは源を同じくしつつ、これ以上ないほど根本的に異なってしまった〉

1329話「ハイブリッド植物奪還」(ヴルチェク)

これもツイートしたが、事態の御者となる存在は、「精神材≒思想」すなわち(エスタルトゥの)第三の道の哲学の学校を築いたアッタル・パニシュ・パニシャであり、すべてのウパニシャドに置かれた立像には彼の“一部”が込められているというダブルミーニングでもある。

「ウォ・ジング・バオ・アト・タルカン」

1330話「忘却からの脱出」(シェール)

そして、ドリフェルの門からあらわれた“丸太クロッツ”が発したこのメッセージ。その意味と、すでに登場済みであるよく似たお船、全知女性の《ナルガ・サント》との関係とかは、次巻以降で次々と明らかになっていく。ので、お楽しみに?

Posted by psytoh