ローダン・ヘフトのストーリー
30. 《マテリア》 / Die MATERIA
1950-1999話 / 新銀河暦1290-1291年
銀河系、チェアルス銀河、そしてダ・グラウシュ銀河にて
主な登場人物
- ペリー・ローダン……トレゴン連合の第六使徒
- アトラン……チェルス遠征艦隊司令
- ボスティクI世……アルコン水晶帝国皇帝
- モーゲナ……ガルラー、トレゴン連合の第五使徒
- アラスカ・シェーデレーア……〈ヴァーチャル・シップ〉のパイロット
- 〈それ〉、ニサール、〈取替子〉……超知性体
- ヴィル・アン・デシュ……アルギオートの宗教的指導者〈スコクター〉
- シャバッザ……ゲシュタルターの異端児は起死回生をめざす
- トル・サマホ、ラミュヒン、パラデュン・スモンカー……〈コスモ・ファブリク〉司令、〈物質のしもべ〉
- ヒスモーム……コスモクラート
ストーリー
ラージサイクル「トレゴン」の第4アンダーサイクル。
トレゴン第五使徒モーゲナの救援要請をうけ、アトランはガルラーの故郷銀河チェアルスへむかう。
太古、ガルラーとノンッゴが〈恒星蟲〉グァン・ア・ヴァーを封じこめた60の恒星からなる牢獄〈恒星金庫〉。しかし、ピルツドームのそびえる惑星タガルムをも含む宙域は、現在、隣接する銀河アルギオンから襲来したアルギオ放浪者の大艦隊の手中にあった。
未知の宗教的理念にしたがうアルギオートたちは、〈輝ける太陽門〉――すなわち恒星金庫――に封じられたかれらの神を解放せんとしているのだ!
また、一方でギャラクティカーたちは、5万年にわたってガルラーの発展に介入しつづけてきた存在の秘密をもたどることになる。謎の“声”ニサール――おそらくは超知性体――は、明らかにガルラーをトレゴン連合への道にいざなってきたのだから……。
一方、奇怪な船〈ヴァーチャル・シップ〉で姿を消したアラスカ・シェーデレーアは、カラコーム銀河において残り17隻の「僚船」と合流する。そのパイロットたちは、かつてのマスクマン同様、宇宙のさまざまな場所から、生ける船によって選び出された者たち。だが、何のために?
船がパイロットたちに告げる――かれらの果たすべき使命は、トレゴン連合の〈創設の年〉に必要欠くべからざる要素。ダ・グラウシュ銀河の〈ボイラー〉に〈鼓動〉を生み出し、維持すること。そのために、かれらはゲシュタルター……謎に満ちたトレゴンの第一種族をみつけださねばならない、と。
そして、〈第六使徒〉ペリー・ローダンにも、〈創設の年〉をめぐる決定的な戦いがせまりつつあった。仇敵たるシャバッザから《ソル》を奪回し、銀河系にたどりついたテラナーの前に立ちはだかったのは、コスモ・ファブリク《マテリア》!
コスモクラートのために〈究極素〉を精製する、トル・サマホの機動工廠は、銀河系中央ブラックホールの事象の地平下にひそむ超知性体を捕獲するためにやってきたという。そして、やがて明らかになる超知性体の正体――〈それ〉! 人類の導師は、トレゴンの〈創設〉といかなる関係にあるのか。だが、それを問うより早く、トレゴン6銀河とダ・グラウシュには大いなる危機がふりかかった。
《マテリア》のみならず、コスモクラート・ヒスモームの麾下にある9機のコスモ・ファブリクがトレゴンを構成する6種族の主星を占領したのだ。ガローン人のヘルター・バーケンを、ノンッゴのケントイレンを、バオリン=デルタ空間を……そして、テラを!
いま、ひとりのテラナーの双肩に、すべての命運がゆだねられた。
トレゴン連合の創設が。人類と銀河系とトレゴン6銀河の存立が。
そして、この宇宙すべての存続が――
◆関連スピンオフ:ファンシリーズ〈ドルゴン〉
サイクルと同時期、〈混沌の息子たち〉の策謀で、局部銀河群、ドルゴン銀河、はてはエスタルトゥ十二銀河まで巻き込んだ一大戦争の勃発する危機が……。これ、最初から刊行やりなおしたりしてたけど、ちゃんと完結したんかなあ。