ローダン・ヘフトのストーリー
19. 網を歩む者たち / Die Gänger des Netzes
1300-1349話 / 新銀河暦445-447年
銀河系、エスタルトゥ十二銀河、そしてピンホイールにて
主な登場人物
- ペリー・ローダン……網を歩む者
- エイレーネ……ローダンとゲシルの娘
- アラスカ・シェーデレーア……キトマの種族のもとで解き放たれた“旧友”
- ジュリアン・ティフラー……“英雄”から解放された彼は〈GOI〉を組織する
- ニッキー・フリッケル……ピンホイール情報グループ(PIG)のリーダー
- ラトバー・トスタン……見知らぬ巨船でめざめた、記憶喪失のテラナー
- スティギアン……銀河系に君臨する新たな〈ソト〉
- ダオ・リン・ヘイ……カルタン人プロテクター、後〈伝承者〉
- イジャルコル……ジオン・ゾムの永遠の戦士
- オーグ・アト・タルカン……伝説のウパニシャド創始者
ストーリー
故郷を追われ、謎の“旧友”の声に導かれた深淵の騎士たちがたどりついたのは――エスタルトゥ十二銀河だった! 永遠の戦士たちに〈ゴリム〉と呼ばれる反乱組織〈網を歩む者〉を指揮するのは、キトマの種族クエリオン人であり、そのもとで分離したシェーデレーアと元カピン片のテスターレらも、組織の一員として活動していたのだ。銀河系を含むおとめ座超銀河団を管轄宙域とするコスモヌクレオチド〈ドリフェル〉を護るため――十二銀河に設置された〈奇蹟〉は、5万年にわたり、ドリフェルと宇宙プシオン網に影響を及ぼしつづけているという。
おりしも、ヌクレオチドの通常空間への“門”から、全長80キロの巨大な“切り株”状の物体が出現した! やがて、ひとりの元USOスペシャリストの報告から、それが有人船であることが判明する。『ウォ・ジング・バオ・アト・タルカン』――謎の通信を発すると、巨船は超空間へ消えた。
銀河系には巨大な奇蹟〈ゴルディアスの結び目〉が設置されて広大な〈無風ゾーン〉と化し、プシオン網を経由しての網歩機構の援助が届かない。第二のソト、スティギアンによる圧政に対し、ウパニシャドの呪縛から解き放たれたティフラー率いるレジスタンス〈組織的独立グループ(GOI)〉が粘り強く抵抗をつづけている状態である。
さんかく座銀河(ピンホイール)では、ニッキー・フリッケル率いるPIGがカルタン人の奇妙な活動を監視している。“伝承者”と呼ばれる影の指導層のもと、猫族はその技術力では無謀ともいえる、超遠距離移民団を送り出していた――エスタルトゥ十二銀河へ! 炉座銀河の水晶生命体ノクターンの分泌するプシ物質パラタウが大量に集積されたその入植地の名は、四太陽帝国タルカニウム……。
自身、伝承者として招聘されつつも、彼らの動機が理解できないダオ・リン・ヘイは、宿敵ともいえるニッキーとともに伝承者の巨船《ナルガ・サント》奥深くで、ひとりのカルタン人がめざめるのを発見する。彼は言う。「ウォ・ジング・オーグ・アト・タルカン」――!
エスタルトゥ十二銀河で網を歩む者が、銀河系ではGOIが、決定的な反撃を開始したのと時を同じくして、“クロッツ”こと《ナルガ・プール》がタルカニウムに出現した! そしてまた、四太陽帝国の位置するアプザンタ銀河の奇蹟〈災いを告げる蜉蝣〉が大挙して襲来し――。
〈それ〉の年代記作者はローダンに告げる。「ゆけ、そしてエスタルトゥの謎を解き明かすのだ!」
◆関連ストーリー集『タルカンが呼ぶ!』